1.
水漬け(みずづけ)
皮に付着している血液や汚物などを取り除き、脱水された水分を補い生皮の状態に戻し、後の薬品処理をスムーズに行なうのに重要な工程。
使用する機械:バドルやドラム(太鼓)。
主な使用薬品:界面活性剤、防腐剤。
処理時間:約24時間(1〜2日間)
処理液pH:7〜8 |
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2.
裏打ち(うらうち)
裏打機(フレッシングマシン)を用いて、皮の肉面(裏面)に付着している肉片や脂肪を取り除く。 |
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3.
脱毛・石灰漬け(だつもう・せっかいづけ)
石灰乳に浸漬させ、アルカリにより皮を傍聴させ皮のコラーゲン繊維をほぐすと共に、毛・脂肪・表皮層を分解除去する。ドラム・バドルを使用。
消石灰、硫化ナトリウム(ソーダ)、水硫化ナトリウム、界面活性剤。
約48時間以上。 |
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4.
分割(ぶんかつ)
分割機(スプリッティング、バンドナイフマシン)を用いて皮を所定の厚さに銀面(表面)側と肉面(床皮)側の二層に分割する。(鞣後に分割する場合もある)。
床皮は床革のほか食用、工業用、医療用コラーゲン製品として多方面に利用される。 |
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5.
垢出し(あかだし)
石灰乳に浸漬させ、アルカリにより皮を傍聴させ皮のコラーゲン繊維をほぐすと共に、毛・脂肪・表皮層を分解除去する。ドラム・バドルを使用。 |
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6.
再石灰漬け(さいせっかいづけ)
石灰乳に再浸漬し、アルカリにより皮のコラーゲン繊維のからみをほぐす。ソフト革やスエード調革には不可欠。バドルやドラムを用いる。と共に、毛・脂肪・表皮層を分解除去する。
ドラム・バドルを使用。消石灰、硫化ナトリウム(ソーダ)など。 |
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7.
脱灰・酵解(だっかい・こうかい)
脱毛・石灰漬け、再石灰漬けで皮中に残存した石灰を取り除く。これにより石灰漬裸皮を中和し、鞣し作業における鞣剤の浸透を容易にする。
酵解(ベーチング)とは、タンパク質分割酵素により不要なタンパク質を分解除去し、銀面を滑らかにする。
ドラム、バドル。硫酸(安)、塩酸、乳酸、重亜硫酸ナトリウム(ソーダ)及び酵解剤など。
1〜2時間。 |
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8.
浸酸(しんさん)
鞣し処理に使う薬品は酸性でないと溶けないので、鞣工程に先立って皮を酸性溶液中に浸漬して、鞣剤の吸収に適する状態にする。
ドラム。硫酸、ギ酸、食塩、みょうばんなど。約2〜12時間。 |
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9.
クロム鞣し(くろむなめし)
クロム鞣剤(三価)を皮に浸透させコラーゲン繊維と結合させ、耐熱性(40〜100℃)などの耐久性を与える。
ドラム。クロム鞣剤、ソーダ灰、重炭酸ナトリウムなど。
5時間以上、15〜20時間。 |
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10.
水絞り(みずしぼり)
革中の余分な水分を水絞り機械により絞り出す。 |
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11.
シェービング(裏削)
シェービングマシンで革の肉面を削り、一定の厚さに調節する。 |
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